アラビカ100%ってどういう意味?コーヒー豆の品種についてのお話

アラビカ100%ってどういう意味?コーヒー豆の品種についてのお話

COLUMN 2018.05.07

コンビニで缶コーヒーを見ていると「アラビカ100%の缶コーヒー」という言葉を目にしました。
アラビカとはコーヒー豆の品種です。
つまり、アラビカ100%とはアラビカという品種の豆だけで作ったコーヒーという意味です。

それではそもそもアラビカってどんな品種?となりますよね。
コーヒーにはアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3種類があり、アラビカ種とロブスタ種の2種が多く流通しています。
今回はそのアラビカ種とロブスタ種についてお話したいと思います。

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風味に優れるが育成が難しく高価なアラビカ種

アフリカのエチオピアが原産と言われるアラビカ種は他の品種に比べて風味と味わいに優れると言われ、生産量はコーヒー生産量の6割にもなります。

しかし、病気に弱く、収穫量が少ないため、栽培が難しく育てるのに手間がかかり、品種改良が盛んな品種です。
コーヒー豆を販売しているお店が扱っているのはほとんどこちらの品種だと言えるでしょう。

一般的な缶コーヒーやインスタントコーヒーはこっち!なロブスタ種

一方のロブスタ種はコーヒー生産全体の約4割を占め、高温多湿な環境にも適応し、耐病性に優れ、アラビカ種よりも一度に多く収穫することができます。

一見良いことだらけのロブスタ種なのですが、酸味がほどんどなく苦味が強く、渋みがあります
さらにロブ臭と呼ばれる麦茶のような独特な香りを放つため、そのまま飲まれることは少ないです。
収穫量が多く安価なため、主に缶コーヒーやインスタントコーヒー、またはブレンド用に使われることが多いです。
なので、「アラビカ100%の缶コーヒー」とは通常のもの(ロブスタ種を使ったもの)より美味しいけれど高級なコーヒー豆を使った品質の高いコーヒーです!という宣伝なのです。

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アラビカ種の品種はとても多い

アラビカ種は品種改良や突然変異によりさらに細かい品種に分かれ、その数はなんと200種類以上にもなります! ここからはその品種の内、日本でよく飲まれている身近な品種を紹介していきます。

ティピカ

アラビカ種の中でも最も原種に近いと言われるティピカ。 コーヒー豆の多くの品種は、ティピカの品種改良や突然変異によって生まれました。 形状はやや細長く先端が少し尖っています。 かつては多くの地域で栽培されていましたが、病気に弱く、生産性が低いため、より生産性が高い品種への植え替えが進みました。 しかし、上質な酸味と風味を持ち、今でも一部の地域で栽培されています。

ブルボン

ブルボンはティピカがブルボン島という島で突然変異して生まれた品種で、形状は小ぶりで丸め。 ティピカに比べると生産性はやや高く、特有の甘みを持ちます。 しかし、一部地域を除き、品種改良されたさらに生産性の高い品種に取って代わられてしまいました。

カトゥーラ

1937年にブラジルで発見されたブルボンの突然変異種です。 豆は小粒ですが、収穫量が多く、病気にも強いので品種です。 良質な酸味と渋味が特徴の味わいで、コロンビアやグアテマラなどで多く栽培されています。

パカマラ

1958年にエルサルバドルの研究所で人工的に作られた品種です。 ティピカの突然変異種のマラゴジペとブルボンの突然変異種のパカスを交配して開発されました。 種子が非常に大きいのが特徴で、独特の香りを持ちます。 収穫量は少なく、エルサルバドルやグアテマラで栽培されています。

コーヒー豆の品種は数多くあり、それぞれの味わいがありますが、それを気にしてコーヒーを飲んでいる人は極僅かでした。 しかし、パナマのゲイシャという品種が高級品種として一気に有名になり、多くの人がコーヒーの品種に目を向けるきっかけになりました。 今後、コーヒーを選ぶ際に「このコーヒー豆はどの品種かな?」と意識しても面白いですね 最後まで読んでいただいてありがとうございます。 皆さんがコーヒーを楽しんでくださることを願っています。

この記事を書いた人

SHO KONISHI

記事を通して、皆さんがコーヒーを楽しむお手伝いができればなと思っています。