ペーパードリップ、家にあるもので代用してみました。
SPECIAL 2020.06.12
コーヒーヲタクではコーヒーの淹れ方についてさまざまな検証を行っています。
茶こしを使って淹れてみたり、豆をハンマーとすりこぎで挽いてみたり。
今回はそんなお久しぶりの検証シリーズです。
手軽で始めやすい淹れ方として、ペーパードリップでコーヒーを淹れている方も多いのではないでしょうか。
私も普段ペーパードリップをしています。
そこでたまにしてしまう、うっかりミスが今回の検証の発端です。
さてコーヒーを飲んで一息つこうと思った時に、
「!!! フィルター買い忘れてた・・・」
こんな経験、1度はないでしょうか?
ということで今回は、家庭にあるものでペーパードリップ風の淹れ方が出来るのか検証していきます。
LIST OF CONTENTS
- 1. 検証の仕方
- 2. 検証1 キッチンペーパー
- 3. 検証2 キッチンタオル
- 4. 検証3 コピー用紙
- 5. 検証4 油漉し紙
- 6. 比較してみると・・・
- 7. ペーパードリップ風の検証まとめ
検証の仕方
今回、ペーパーフィルターの代わりとして
キッチンペーパー、キッチンタオル(フェルト地のキッチンペーパー)、コピー用紙、油漉し紙を使用しました。
写真左から油漉し紙、コピー用紙
写真右上がキッチンペーパー、右下がキッチンタオル(フェルト地のキッチンペーパー)です。
いずれかひとつは家庭にあるものではないでしょうか。
これらを、今回使用するHARIOのV60ドリッパーに合うよう折ります。
写真(上)のように三角に折り
写真(下)のようにもう半分に折り、ドリッパーにセットします。
使用する豆・挽き目・粉量・抽出レシピは全て同じものを使用します。
・挽き目:中細挽き
・粉量:10g
・湯温:95℃
・湯量:約160ml
・はじめに20mlのお湯を注いで30秒蒸らし、その後残りの140mlを注ぎます。
・注いだお湯が落ちきった時点で抽出終了とします。
検証1 キッチンペーパー
初めの20ccを注いですぐにポタポタと抽出され始めます。
順調に抽出されていきます。
1分半ほどで抽出が終了しました。
濁りや沈殿物はなく、透き通った色。
すっきりとした味わいで、後味に紙っぽさがわずかに感じられました。
検証2 キッチンタオル
初めの20ccを注いですぐにツーと抽出され始めます。
検証1の場合、始めはポタポタと途切れながら液体が落ちていました。
一方こちらは途切れることなく液体が落ちています。
残りのお湯を注いだ後は、キッチンペーパーの時よりも液体が太く落ちているような印象です。
1分15秒ほどで抽出が終了しました。
濁りや沈殿物はなく、透き通った色。
口に含んだ瞬間に強烈な紙っぽさを感じました。
少し冷ました後に飲むと、紙っぽさはありますが初めほど強烈ではなくなりました。
キッチンペーパーを用いたコーヒーよりもまろやかな味です。
検証3 コピー用紙
初めの20ccを注いで15秒ほど経ってから、ポツ、ポツと1滴ずつ落ちてきます。
残りのお湯を注ぐとポタポタと途切れつつ抽出されます。
しかし、1分が経過した辺りからポツ、ポツと1滴ずつ落ちるように。
抽出終了までに15分かかりました。
濁りや沈殿物はなく、透き通った色。
検証1、2では感じなかった苦味と雑味がありました。少し不快感がある味です。
検証4 油漉し紙
初めの20ccを注いですぐにポタポタと抽出されます。
順調に抽出されていきます。
抽出の様子はキッチンペーパーの時と似ています。
1分半ほどで抽出が終了しました。
沈殿物はありませんが、ほんの少し濁っている印象。
紙っぽさはこの検証内で一番少なく、キッチンタオルに近いまろやかな味です。
キッチンタオルを用いたほうがまろやかで、こちらはより味の輪郭があるように感じました。
比較してみると・・・
味や質感を比較するため、ペーパーフィルターでも同じレシピで淹れてみました。
初めの20ccを入れてすぐにポタポタと抽出され始めます。
順調に抽出されていきます。
1分半ほどで抽出が終了しました。
抽出の様子は、キッチンペーパーと油漉し紙に似ています。
沈殿物はなく、透き通った色。
すっきりしていて甘みがほのかにありますが、少し苦味もあります。
・味の比較
すっきりしていたのが検証1のキッチンペーパー、
まろやかさがあったのが検証2のキッチンタオルと検証4の油漉し紙、
雑味や苦味が目立ったのが検証3のコピー用紙でした。
キッチンペーパーがペーパーフィルターの味に最も近い結果となりました。
・見た目の比較
抽出したコーヒーを並べたものがこちらです。
左からペーパーフィルター、検証1(キッチンペーパー)、検証2(キッチンタオル)、検証3(コピー用紙)、検証4(油漉し紙)の順番で並べています。
並べてみると、コピー用紙を用いて入れたコーヒーだけ色が濃いのがわかります。
また、キッチンタオルと油漉し紙を用いたものは少し濁っているのが見てとれます。
見た目に関しても、キッチンペーパーがペーパーフィルターに最も近い結果となりました。
コピー用紙は抽出に時間がかかった分、色も濃く抽出されたのだと思われます。
味に苦味や雑味が多かったのもこのためだったのでしょう。
左がV60、右がコピー用紙です。
キッチンタオルと油漉し紙の濁りに関して。
コーヒー液が濁るのは一般的に油脂が含まれていることが原因と言われています。
そして油脂分があるとコーヒーの味はマイルドに感じられるとも言われています。
2つの検証の味がまろやかに感じたのもこのためだったのかもしれません。
左がV60、右がキッチンタオルです。
左がV60、右が油漉し紙です。
ペーパードリップ風の検証まとめ
検証の結果、いずれもペーパーフィルターの代わりにコーヒーを淹れることができると分かりました。
中でもペーパーフィルターの味わいの再現性が最も高かったのは、キッチンペーパーでした。
すっきりとした味わいを求めるなら、キッチンペーパーかコピー用紙。
まろやかな味わいを求めるなら、キッチンタオルか油漉し紙を使うと良いですね。
個人的には、油漉し紙を用いたコーヒーがまろやかながらボディ感もあって好みの味でした。
家庭にあるもので自分の好みの味を探してみるのも良いかもしれません。
原材料や目の粗さに注目して、それが味に影響する原因を掘り下げてみるのも面白そうです。
ということで!
今回の検証、お楽しみいただけたでしょうか。
もしもフィルターを買い忘れてしまった際には、ぜひ試してみてください。