デカフェ/カフェインレスコーヒーの作り方3種類を解説!それぞれの特徴とは?

デカフェ/カフェインレスコーヒーの作り方3種類を解説!それぞれの特徴とは?

COLUMN 2022.12.26

寝る前にコーヒーを楽しみたい時や、妊娠中の方、お子さんと一緒にコーヒーを楽しみたい方、体質的にカフェインが苦手な方などなど、デカフェ/カフェインレスコーヒーを愛飲している方も多くいらっしゃると思います。
(この記事では以後「カフェインレスコーヒー」と呼び方を統一いたします)

カフェインレスコーヒーとは、カフェインレスの品種のコーヒーの木があるのではなく、通常のコーヒー豆(コーヒー生豆)からカフェインを除去して作ります。

日本国内で流通しているカフェインレスコーヒーの作り方は3種類ありますので、今日はその特徴について解説していきます。

普段飲んでいるカフェインレスコーヒーがどのように作られているのか、名前だけは聞いたことはあってもちんぷんかんぷんという方も多いでしょう。
この機会にカフェインレスコーヒーへの知識を深めてみてください。

スイスウォータープロセスとは

まず最初にご紹介するのは「スイスウォータープロセス」というカフェイン除去方法です。
スイスウォータープロセスでは薬品を使用せず、水だけでカフェインを除去します。

(※薬品を使用してカフェインを除去する方法もあるのですが、この薬品が日本で認可されておらず、流通していません)

スイスウォータープロセスは主にスイスで発展したため、このような名前がつけられています。

【スイスウォータープロセスのカフェイン除去方法】

①まずはコーヒー生豆の成分が飽和状態になるまで抽出された液体を作ります。
コーヒー生豆を水に浸し、細胞構造を開きやすくして(ふやかすイメージですね)生豆の成分を抽出しやすくします。
数時間かけて水に浸けることで生豆の成分が水にすべて溶け出します。
この液体には、コーヒーの成分も、カフェインも含まれています。
成分を抽出し終えた生豆は取り出します。

②①の液体からカフェインのみを除去します。
①の液体を濾過することで、カフェインのみが除去されます。
液体はカフェインレスの状態となり、コーヒーの成分が限界まで(飽和状態)溶け出しています。

③新しい生豆を②の液体に浸し、生豆からカフェインを除去します。
新しい生豆と②の液体では「コーヒー成分」の量は一緒で、カフェインの含有量だけが違います。
よって新しい生豆から②の液体の方へ、カフェイン成分だけが移動します。

④生豆が99.9%カフェインフリーになるまで③の工程を繰り返す。
まるで浸透圧の実験のようですが、③の工程では生豆にはコーヒー成分が残ったまま、カフェインのみが液体に溶け出し、生豆と液体中のカフェイン量が同じになったところで溶け出すのが止まります。
またカフェインのない新しい②の液体を用意し③の工程を行うことで、生豆からさらにカフェインを減らすことができます。
③の工程を何度も繰り返すことによって、カフェインレスの生豆を作ることができます。


マウンテンウォータープロセスとは

次にご紹介するのが「マウンテンウォータープロセス」というカフェイン除去方法です。
スイスウォータープロセスと似たような処理方法なのですが、商標の関係で2種類に分かれているそうです。

マウンテンウォータープロセスは、メキシコに処理工場があります。

【マウンテンウォータープロセスのカフェイン除去方法】

生豆を水に浸けコーヒー成分を溶け出させ、溶液からカフェインを除去し、新たな生豆を浸けてカフェインのみを除去するというおおまかな流れはスイスウォータープロセスと変わりありません。

スイスウォータープロセスと異なる点は
カフェイン除去時に特別なタンクで加圧・加熱される
という点です。

スイスウォータープロセスでは生豆からカフェインがなくなるまで何度も水溶液に通す必要がありますが、マウンテンウォータープロセスではその必要がないので、生豆の風味が失われにくくなります。


超臨界二酸化炭素抽出法とは

「超・臨・界」ですってよ奥さん。
何やら突然漢字だらけで、でもかっこいいカフェイン除去方法が登場しました。

漢字の圧で情報が頭に入らない方もいらっしゃるかもしれませんが、「そんなやり方もあるんだ、へー」くらいで気楽に聞いてもらえたらと思います。

【超臨界二酸化炭素抽出法のカフェイン除去方法】

①高温で蒸した生豆を高圧容器に格納し、水と二酸化炭素を加えます。

②二酸化炭素(と水)を「超臨界」状態にします。
※超臨界とは⇒JASCO 日本分光「超臨界流体の基礎」
「超臨界」という状態になった二酸化炭素は、物質を溶かす力を持ちます。

③超臨界状態になった二酸化炭素に生豆からカフェインが溶け出します。
コーヒーの成分は生豆に残り、カフェインのみが溶け出します。不思議ですね。

超臨界二酸化炭素抽出法は、本来大気中に放出されるはずの二酸化炭素を再利用した、環境負荷の少ない技術です。


以上の3種類が、現在日本国内で流通しているカフェインレスコーヒーの作り方です。

どの製法もコーヒー生豆の成分を残してカフェインだけを除去しようと頑張っていますが、味わいに多少の差はあるようです。
こだわりのある人は「○○製法のカフェインレスならおいしい」と特定の製法を推していたりもします。

スペシャルティグレードのカフェインレスコーヒーだとおいしいものに出会うのがやはり大変なようで、どこのロースターさんも一生懸命生豆を比較して、「これなら」と思えるカフェインレスを焙煎してくださっています。

おいしいカフェインレスコーヒーを集めるのが大変な中、第3回コーヒーシティフェスティバルに仙台より参加してくださったフミヅキコーヒーさんは、カフェインレスコーヒー専門店として、カフェインレスを求めるコーヒーラバーの需要を一身に浴びていらっしゃいました。
今回の記事も、フミヅキコーヒーさんの人気を拝見して記事テーマを決めた側面があります。

フミヅキコーヒーさんは大人気で、最終日にはすべてのコーヒーが売り切れてしまっていました。

次回は、フミヅキコーヒーさんにカフェインレスコーヒーについてお話を伺えたらと思っています。お楽しみに。
⇒「カフェインレスコーヒー専門店「フミヅキコーヒー」さんに取材して、カフェインレスをもっと深掘りしてみた!

この記事を書いた人

MAYA

コーヒーブログ「道産子MAYAのコーヒー歩き」を運営しています。ツイッター⇒@mayacafe24