【レビュー】自宅で簡単にネルドリップを楽しめる1人用ネルドリップセット「soupir(スピール)」を使用してみました!

【レビュー】自宅で簡単にネルドリップを楽しめる1人用ネルドリップセット「soupir(スピール)」を使用してみました!

COFFEE NEWS 2020.07.11

昨年、Makuakeにて300%を達成した、
陶器製の1人用ネルドリップセット「soupir(スピール)」のサンプルをsuzugamaさんから頂きました!

もともと私はネルドリップでコーヒーを淹れる自家焙煎店で働いていたので、スピールの存在が気になっていました。
ペーパーフィルターの形や淹れ方がたくさんあるように、ネルドリップも布の素材の違いやサイズ、淹れ方などの違いがあります。
この辺のお話はまたの機会に詳しく書こうと思います。

開封してみたところ私の持っているネルと既に素材が違うので使用感がとても楽しみです!
今回もライター深澤の自宅で実際に使用してみました。

昨年のsoupir(スピール)の記事はこちら↓
https://coffee-otaku.com/archives/12013

セット内容

今年もMakuakeに登場しているスピール。
昨年との違いは、
スピールをより楽しんでもらうべく、京都の名喫茶・六曜社珈琲店の若き三代目マスター【奥野薫平】さんに、
スピールの使いこなし方の提案と共に、限定ブレンドを制作して頂いたそうです!


六曜社珈琲店とは、
創業70年の京都の名喫茶です。

今ほど単一栽培の豆が手に入らなかった時代からある喫茶店。
当時はミルクや砂糖を入れて飲むことを前提としたコーヒーが主流でした。
その中で試行錯誤し、美味しいコーヒーを提供し続けて70年。
また、その長い歴史があるため、ペーパードリップがまだ浸透する前から使用されていた昔ながらのネルドリップを今も続けて歴史を受け継いでいるお店です。

現在は単一栽培の豆も入手出来るようになり、ブラックでも美味しいコーヒーが作れるようになりました。
そんな中、創業当初からの味を守り、懐かしさを残した味わいに仕上げ「六曜社オリジナルブレンド」が出来上がったそうです。

※スピールに合わせてブレントされるスピールフレンドブレンドはプロジェクト終了してから生産されます。
今回頂いたのは六曜社珈琲店オリジナルブレンドです。

カラーはMilkとDarkの2種類から、Darkを頂きました!

            和菓子とスピール

色味が渋くて、和菓子と一緒に楽しみたくなるようなあたたかいデザインで素敵です。

触り心地もサラサラしていて私好みです。

 

セット内容は製品の箱とコーヒー豆の2つ
◯スピールの箱の中身

スピールのセット内容
左上から時計回りに
・カップ
・ネルドリッパー
・フタ
・箱
・ネル2枚

・布巾

◯クラウドファウンディングでセット販売中のブレンド豆

六曜社オリジナルブレンド
・六曜社珈琲店オリジナルブレンド 100g

使用前にしておく事

まずはネルドリップをする前の準備から。
新品のネルフィルターは生地の匂いや糊気があるので必ず熱湯で煮沸してから使用します。

スピールのネルを煮沸 15分
できれば淹れ終わった珈琲の粉とともに煮沸するとコーヒーの味がネルに馴染み味が安定します。
煮沸の時間は15分ほど。

15分経ったら水を張った容器につけておきます。

実際に淹れてみる

前準備ができたので、早速頂いた六曜社珈琲店のオリジナルブレンドを淹れていこうと思います。
今回のサンプルを頂くにあたってスピールで淹れるレシピを六曜社珈琲店のマスター奥野さんにお聞きし、教えて頂きました。

レシピはこちら↓

使うコーヒー豆はブラジルプレミアムボイヤとコロンビアスプレモトリマのブレンドです。
・コーヒー豆 30g
・抽出量 100㏄
・蒸らし20秒 抽出120秒~150秒
・湯温 90℃前後
・挽目 中細挽き
・使用ドリッパー ネル

[蒸らし〜ドリップについて]
①蒸らしは粉全体に行き渡る量をゆっくり注ぐ。
②膨らみが収まった所で2投目3投目へと粉の膨らみを崩さぬよう注ぎ、また投擲のタイミングは粉の表面が凹む前に連続させて好みの量まで続けること。
③最後まで落とし切る前に外す。
※膨らまない状態の時はゆっくりと点滴になっても良いほどのお湯の量で中心にゆっくり注ぎ続けること。

[お湯の温度について]
沸騰に近いほど香り高く、最低でも70℃のお湯に抑えるほどに香味として生きる。
※高い温度ほど嗅覚的な香りを楽しめ、低いほど味覚に香味として収まる。

 

抽出時間は豆の鮮度や状態に合わせるほうがより美味しくなると思っているので、基本的にレシピは事前に設けない方が良いと思っています。

あくまで自宅でコーヒーを楽しむことは、失敗を含め自分なりの手順や味の好みを見つける作業であり、醍醐味だと思っているので、このレシピは目安として参考にしていただければと思います。
上記のレシピがあなたにとっての“美味しい”に繋げられるヒントになれば嬉しいです。

こうやって丁寧に説明してもらえると、はじめてネルを使う方でも安心ですね。

それでは頂いたレシピを参考に淹れていきます。

スピールのネルを布巾に挟む
ドリップする前にネルの水気を取ります。
ネル自体をねじって絞る方もいますが、私は布に挟みパンパンと水気を取ります。
特に用途は明記されていませんでしたが、布の質や大きさが丁度良かったのでセットに入っていた布巾を使用しました。

ネルを布に挟んで水を切る
洗濯物でもそうですが、ねじると布が痛むため私は布に挟んで水気を取るのをおすすめします。


お湯の温度90℃前後
挽目は中細挽き

まずドリッパーに布をセットします。

スピールのネルの縫い目は外側
起毛がある方が内側、縫い目がある方が外側になるようにしてくださいね!

挽いたコーヒーをネルに入れます。
この時、しっかりネルの中に粉が入って行くようにスプーンでサクサクと隙間なく粉を詰めていくと良いかもせれません。
専用のタンパーがある方は軽くタンピングすると抽出の時粉が溢れ出しにくくなります。

蒸らし20秒。コーヒーの粉がぷっくり膨らんできました。

スピールでコーヒーを淹れている
そして、抽出していきます。
粉30g使用すると溢れそうになるので慣れるまでは大変かもしれません。


この時のコツは、写真左のようにネルをドリッパーに乗せるだけでしっかりと固定されるので、縁にかぶせたりしない事です。

粉の量が少ない場合は縁にかぶせて大丈夫です!

スピールで淹れ終わったフィルターをフタにのせている

淹れ終わったら、フタにドリッパーごと置けます。これは便利!

スピールで淹れたコーヒー

深煎りの豆ですが余分なオイルも浮かず澄んでいます。

では早速飲んでみます。

粉の量に対して抽出量が少なめなので初めは、苦く濃く出るのではないかと思いました。
ですが、そのまま飲んでもしっかりとしたコクと甘みが出ていて、雑味やエグみがなくとても美味しい味になりました!


深煎りが苦手な方は牛乳と混ぜてカフェオレにして飲んだり、氷を入れてアイスコーヒーとして飲んでも美味しいなと思います。

お手入れ

ネルドリップはお手入れが少し面倒そうという理由で使わない方もいると思います・・・。

喫茶店にいた頃は每日仕事として当たり前にやっていました。
コーヒーヲタクでも仕事として使っているのでお手入れは苦ではないです。
ですが、自宅でとなると話は別です。

スピールはどうなのでしょうか?

スピールを水につける
ネルはだいたい水を張った容器に入れ蓋をし冷蔵保存し、每日水を替えるのが一般的です。
喫茶店では使用後に必ず煮沸をしてから上の流れで保存していました。

スピールの場合は使用前のネルの糊気や匂いを取る際に煮沸するだけで、その後は水洗いし冷蔵保存するだけで良いそうです。
それなら少し気楽に始められそうですね!

スピールを冷凍する
さらに使用頻度が低い場合は密封袋に入れて冷凍保存をしても大丈夫です!
冷凍庫の匂いが移らない様にしっかり密閉してください。

毎日の煮沸と水換えの手間がなくなるのは、だいぶ時短にもなり手軽になります。

まとめ

◯陶器で作られた素材のため、落ち着いた温かみのあるデザイン。和菓子ともよく合う。

◯ネルは使い始めだけは煮沸が必要だが、水洗いだけで良い。
使用頻度が低い場合は、冷凍保存ができる。

◯パーツが少なくコンパクトでありながら、本格的な味を楽しめる。

◯慣れるまでは粉が溢れてしまう可能性があるので、ネルをドリッパーの淵に被せないことや、軽くタンピングをするといい。

◯ペーパーフィルターでは味わえない甘みが出て、口当たりまろやか。
金属フィルターも甘みやまろやかさは出るが、微粉が気になるという方にはネルがオススメ。

スピールでコーヒーを飲んでいる

ネルドリップは一般家庭ではあまり普及していない事もあり、
淹れるのが難しそうとか、お手入れが大変そうなどの理由で懸念されがちな気がします・・・。

ですが、実際ネルドリップの経験がある私がスピールを試してみた結果、
コンパクトなこのセットで完結出来る点、ネルのお手入れの手間がほぼない点を考えると手軽に始められるのではないでしょうか!

例えば、食器だと洗剤をつけて洗ってすすぐ工程がありますが、ネルは水洗いして密閉袋に入れて冷凍して完了。
これならできそうという方もいますよね。

この機会にネルドリップ人口が増えると嬉しいです!

プロジェクトの詳細はこちら↓
https://www.makuake.com/project/soupir02/

【suzugama HP】
https://www.suzugama.com/

【六曜社珈琲店】
http://rokuyosha-coffee.com/

この記事を書いた人

MIKU FUKAZAWA

コーヒーに片想いしています。いつか近しい関係になれますように。