コーヒーの産地ごとの特徴

コーヒーの産地ごとの特徴

COLUMN 2018.05.07

現在コーヒーは世界60カ国以上で作られています。それぞれの地域の気候や地理にあった栽培方法や品種があり、コーヒーの味は生産地によって大きく異なります。
なので、同じ国であっても農園が違えば全く違う味になるケースは多々あります。
今回はいくつかの国をとりあげ、ちょっとした紹介をすると共に、一般的に言われている風味の傾向をお伝えしていきます。

生産量世界一!コーヒー大国ブラジル

コーヒーの生産地と言えばブラジル。消費量も世界トップクラスで、最近ではバリスタを目指す若者も急増中です。
酸味が少なく、甘みのあるまろやかな味で、ナッツのような味わいと透明感のある後味が特徴です。特徴の薄い味と言われることもありますが、やわらかい味わいはブレンドのベースによく使われていて、飲みやすい味わいです。

コロンビアはコーヒー栽培に理想的

コロンビアの生産者はほとんどが小規模で、その大半がコロンビアコーヒー生産者連合会という団体に加盟しています。そこから派遣されるアドバイザーのもと安定した品質のコーヒー豆を栽培しています。
コロンビアはコーヒー栽培に必要な温度、日照量、降雨量等の条件を満たした土地が多くあるます。そのため、広い地域でコーヒーが栽培され、地域毎に個性が表れます。
なのでコロンビアのコーヒーを地域が違うものを集めて飲み比べてみたら味わいが少しずつ異なるのが面白いです。
一般的にコロンビアのコーヒーは酸味がしっかりしていて、程々の甘みが特徴です。ちなみに日本で有名なエメラルドマウンテンはコロンビアで作られる高級豆で、酸味と甘味と深いコクが特徴です。

タンザニアのコーヒーは全てキリマンジャロ?

タンザニアはアフリカ大陸にある国で、ケニアの隣国です。
ここで作られているコーヒーは日本ではキリマンジャロの名前で知られています。
実際はキリマンジャロのふもとで作られたコーヒーが「キリマンジャロ」なのですが、タンザニア産の高級コーヒーはほとんど「キリマンジャロ」を名乗っているそうです。
味わいは爽やかな酸味と優しいコクが特徴です。後味がスッキリしていて雑味がほとんどないので飲みやすいです。そのまま飲んでもミルクと合わせても美味しいコーヒーです。

ブルーマウンテンで有名なジャマイカ

ジャマイカのコーヒーと言えばブルーマウンテン。
ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテンエリアで栽培されているコーヒーです。ブルーマウンテンは出荷する時に樽を用いるのが印象的で、これは輸送時に発生する温度や湿度の変化を木材が調整してくれるというメリットがあるそうで、品質の維持にいいそうです。
ジャマイカのコーヒーの味は酸味と苦味のバランスが良く、繊細さの中に甘みがあるマイルドな味わいです。

コーヒー発祥の地、エチオピア

「モカ」コーヒーで有名なエチオピア。「モカ」にも色々あるのですが、それについてはまた後日お話します。
コーヒー発祥の地と言われるエチオピアは、人工のおよそ5分の1がコーヒーに関する産業に携わっていると言われていて、国内でのコーヒー消費量も高いです。
エチオピアのコーヒーは華やかな香り、酸味を伴う甘みとコクを有しています。
多くのお店で取り扱っている上、焙煎の仕方によって個性が出やすいエチオピア。初めて行ったお店では、とりあえずエチオピアと頼んでお店の味作りを知ってみる、というのが僕のイチオシです。

マンデリンはインドネシアの部族の名前が由来

力強い味わいのコーヒーとして人気のある「マンデリン」。これはスマトラ島にいたマンデリン族という部族の名前が由来です。
他にも高級品とされる「トラジャ」や「コピ・ルアク」の生産地としても有名です。
インドネシアのコーヒーは木や土のような野性味溢れる風味を持ち、飲んでみると力強いコクを感じますが、後味はスパイスのよう。
他のコーヒーではなかなか味わえない独特の味わいは、一度飲んだら忘れられないです。

バラエティー豊かなコーヒーの産地グアテマラ

国土面積が日本の3分の1程にもかかわらず、中米随一のコーヒー生産国であるグアテマラ。国内にはいくつか生産地があり、中でも「アンティグア」はグアテマラ最古のコーヒー生産地として有名です。
味わいは、甘みが強いもの、フルーティーな酸味を持つもの、ほろ苦さと甘さを持ち、チョコレートのような後味をもつもの、等、味の幅が広いです。
色んなグアテマラを試してお気に入りのグアテマラを見つけてくださいね。

ポテンシャルがすごい!ホンジュラス

あまり聞き馴染みがない国かもしれませんが、中米のカリブ海に面したコーヒー生産大国です。生産されるコーヒー豆のポテンシャルは素晴らしいですが、インフラや降水量等に問題があり、なかなか品質の良い豆は流通していませんでした。ですが、近年は農園の努力もあり、品質の良い豆の流通も少しずつ増えています。
軽やかな口当たりで甘みがあるものや、フルーティーですっきりした味わいのものがあります。後味がすっきりしていて、日本人好みの味わいです。

国を挙げてコーヒーを栽培するコスタリカ

コスタリカでは政府と生産業者で作られた組織、コスタリカコーヒー協会がコーヒー栽培を全面的にバックアップしています。その活動は多岐にわたり、研究農園の運営、コスタリカのコーヒーの宣伝、さらに小規模農園の保護等です。
また、コスタリカではロブスタ種の栽培が禁止され、現在栽培されているのはアラビカ種のみです。
コスタリカのコーヒー栽培で特徴的なのが、小規模農園と小規模精製所が多いこと。これにより、農園ごとの個性が発揮され、コスタリカで栽培されるコーヒーの約50%がスペシャルティコーヒー市場に輸出されてます。
さらに近年は生産者自らコーヒーの味見をするようになり、より良質なコーヒー栽培が行われるようになっています。
コスタリカのコーヒーは雑味が少なく、明るい酸味とまろやかな甘みがあります。
先述の通り、農園が数多くあるので、自分好みのコスタリカコーヒーを開拓したいですね。

今回はこれら9箇所の国を紹介してみました。ここに書いた風味の傾向は僕の飲んだことのあるものや、一般に言われているものであり、実際は全く違った味わいのこともあります。
なので、実際に皆さんの舌で味わってみてください。その際に少しでもこの記事が参考になればと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
皆さんがコーヒーを楽しんでくださることを願っています。

この記事を書いた人

SHO KONISHI

記事を通して、皆さんがコーヒーを楽しむお手伝いができればなと思っています。