直火?炭焼き?焙煎の方式と味わいの関係とは

直火?炭焼き?焙煎の方式と味わいの関係とは

COLUMN 2018.05.07

前回は焙煎度合いや焙煎日などについてお話させていただきましたが今回も焙煎のお話です。
ただ、今回は前回よりディープな内容になりますので少しでも分かりやすく説明できるようにがんばります。

ただ焼くわけじゃない!?知れば知るほど奥が深い焙煎の方式について

焙煎、と聞くと難しく思えます。しかし、焙煎は簡単に言うと生豆に熱を加える行為のことなので、ポップコーンを作る機械でも焙煎は行なえますし、自宅で手網を使って上手に焙煎する人もいます。
ただ、安定して大量のコーヒー豆の焙煎をこなすには専用の機械が必須で、その機械は焙煎機と呼ばれます。
また、焙煎にも様々な種類があり、種類が違えば味わいも異なります。
例えばステーキを焼くと言っても、フライパンで焼くのと網で焼くのではなんとなく風味が違いますよね。それと同様にコーヒーも焙煎の方式によって風味が違うんです。

直火式

まず紹介するのは直火式の焙煎。直火というだけあって直接火で炒る方式です。手網で行う焙煎はこれに当たります。
焙煎機だと、網状に穴が空いたドラム缶の中に生豆を入れ、直下の熱源で加熱します。
コーヒー豆の特徴をよく引き出せる方式と言われ、風味や香りが出やすいです。
欠点は、火加減が難しいため焼きムラがでやすく、上手く焙煎するのが難しいことです。また、一度に焙煎できる量に限りがあるので、まとめて大量に焙煎するのには向きません。

熱風式

次に紹介するのは熱風式の焙煎。直接火で炒るのではなく、高温の熱風をコーヒー豆が入ったドラム缶に送り込んで焙煎する方法です。
ドラム缶内の温度は一定に保ちやすく、ムラが少なく均一に焙煎することができます。また、熱風の温度をコントロールすることで短時間で焙煎することも、逆にじっくり時間をかけて焙煎することもできます。
一度に大量に焙煎することができるので、多くのチェーン店でこの方式を使っています。
味わいは直火式に比べてあっさりしていてクリアーな味わいになる傾向があります。
欠点は直火式に比べるとコーヒー豆の個性が出にくいと言われていることです。

半熱風式

次は半熱風の焙煎方式。こちらは直火と熱風の両方の要素を兼ね備えた方式です。
焙煎機の構造は直火に似ていて、直下の熱源でドラム缶を熱するのですが、こちらはドラム缶に穴が空いていません。なので、コーヒー豆が直接火にあたる事はなく、熱せられたドラム缶が鉄板のような役割を果たします。また、同時に熱せられた熱風もドラム缶に送り込ませるので鉄板と熱風の両方によって焙煎が行われます。
一度に焙煎できる量は直火より多く、熱風より少ないです。
味わいは直火より軽やかに、熱風よりもしっかりした味になりやすいです。
欠点は直火式程個性を出しにくく、熱風式程大量に焙煎はできないことです。

炭火?ダブル?特別な焙煎について

ここからはあまり馴染みがない焙煎について紹介します。
まずは炭火焙煎について。
その名前の通り炭火を使ってコーヒー豆を焙煎します。焙煎方式としては直火式です。
通常、焙煎機の熱源にはガスや電気を使いますが炭火焙煎では炭を熱源に使います。
炭を熱源にするメリットは遠赤外線が生じ、コーヒー豆の芯までむら無く焙煎することができ、雑味のないコーヒーになるとされます。
欠点として挙げられるのがガスや電気を熱源にするのに比べて火力調整が難しいこと、炭の燃料代のコストが大きいことです。

次はダブル焙煎です。
ダブル焙煎とは、焙煎途中で一度焙煎を止め、コーヒー豆をよく冷やし、再度焙煎を行うというものです。
主に行われるのは、収穫してすぐのコーヒー豆を他のコーヒー豆とブレンドして焙煎する時。
収穫してすぐのコーヒー豆は水分量が多く、他のコーヒー豆と一緒に焙煎すると火のとおりにムラができるので、一度焙煎を行って適度に水分量を調節するんですね。
焼き上がりが均一になり、渋みや雑味のない優しい味わいのコーヒーになるとされます。
欠点は二度焙煎を行うので時間や手間が増え、光熱費が多くかかることです。

以上、今回は焙煎の色々な方法についてお話させていただきました。前回の焙煎度合いはともかく、今回の焙煎形式の話はかなりマニアックな情報であまり活用できる機会はないかもしれないです。
しかし、焙煎にもいろいろ種類があって味が違うんだなーと頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
皆さんがコーヒーを楽しんでくださることを願っています。

この記事を書いた人

SHO KONISHI

記事を通して、皆さんがコーヒーを楽しむお手伝いができればなと思っています。