HARIOの新作ペガサスドリッパーは〇〇な人にオススメ!
COLUMN 2023.09.18
じゃじゃーん。
我が家にも話題のドリッパー、「ペガサスドリッパー(PEGASUS DRIPPER)」が来ました。わーい。
ペガサスドリッパーはHARIOさんから今年の7月上旬に発売された、新型のドリッパーです。
「初心者向け」を謳っているドリッパーなのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
淹れやすいの? 美味しく淹れられるの? 味の再現性が高いの? どういう特徴があるんだろう?
私も購入して試してみましたので、今日はレビューにお付き合いください。
「ペガサスドリッパー、気になるから買ってみようかな?」
という方から
「新型ドリッパーだからどんなもんか一応気になる」
という方まで、楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、ペガサスドリッパーの紹介に行ってみましょー!
LIST OF CONTENTS
ペガサスドリッパー(PEGASUS DRIPPER)とは?
ペガサスドリッパーは、プロも愛用するV60ドリッパーで有名なHARIOさんの最新作ドリッパーです。
この時点で期待大ですね。
サイズ展開は3種類。
・1~2杯用の01
・2~4杯用の02
・4~7杯用の03
となっています。
私は1~2杯用サイズの01を購入しました。
(後で同じサイズのV60ドリッパーと比較をするためです)
ペガサスドリッパーの特徴は、V60ドリッパーから引き継いだスパイラルリブと、小さな二つ穴の抽出穴です。
V60ドリッパーと見比べてみるとどれほど似ているのかがよくわかりますが、湾曲した長短のリブが交互に伸びていて、抽出時にはドリッパーとペーパーの間に絶妙な隙間を作ってくれるようになっています。
スパイラルリブによりコーヒー粉側面からのガス抜けが良くなる一方で、抽出穴は小さめの二つ穴なので湯抜けのスピードはゆっくりめです。
これにより、ドリッパー内にお湯が溜まりやすくなっています。
つまりドリッパー側で湯抜けのスピードをコントロールしているので、注湯速度を一定に保つのが苦手な初心者でも同じ美味しさを再現しやすくなっていると感じました。
「初心者がペガサスドリッパーを使ったらどうなるか」を試してみたかったので何度かわざと適当に(※)ドリップしてみたのですが、いずれも似たような味わいに着地することができました。
細かなコントロールで味わいの変化をつけることを前提としていないドリッパーなので、何も考えなくても簡単に美味しくコーヒーを抽出することができます。
※豆の重さ、注湯量、時間を計測せず、注湯回数もカウントせずに「1杯分出来上がったら終わり」という抽出方法で試してみました。
【実際にコーヒーを淹れてみた】
普段であれば有名バリスタさんの推奨レシピなどを調べてコーヒーを淹れるのですが、ペガサスドリッパーにはパッケージの側面に淹れ方が書いてあったので、まずはその通りに淹れてみました。
使用した豆は中深煎りのコロンビアです。
後からV60ドリッパーと比較しやすいように、湯温はBrewistaの温度調整ケトルで90℃に設定しました。
豆量はドリッパーに書いてある目盛りを利用して2杯分(1杯分が10gの設定だそうです)の線のところまで豆を入れたのですが、挽いてみたら空気でふわっとなってしまったのか、線を超えてしまいました。
ちなみにこの目盛りがどれくらい正確なのだろうと重さを測ってみたら、この量でほぼ20gでしたので、だいたい信用して大丈夫そうです。
(※ただしコーヒーは焙煎度によって重さが変わります)
パッケージ通りにコーヒー全体が湿る程度にまんべんなくお湯を注いで、30秒間蒸らします。
その後は数回に分けて、のの字を描くようにお湯を注いでは覗き穴から落ちていく様子を見て、湯量を調節します。
1杯分のコーヒーが抽出されたら出来上がりです!
ペガサスドリッパーは手軽で美味しい
覗き穴からどれくらい抽出されたか見ていたはずなのですけれど、ちょっと淹れすぎちゃいました。
穴から見える量が「これくらいでちょうどいいかな」と思っても、ドリッパー内にお湯が残っているとついもったいなくて落ちきりを待ってしまうのは予想外の罠でした。やっちゃったー。
私のように「もったいないから全部落ちるのを待とう」としてしまうタイプの方は、少し早めにお湯を止めた方が良さそうですね。
ちょっとお湯が多めだったかなと思ったのですが、コーヒーの味わいは薄くなくて、ちゃんとちょうどいい濃度感でした。
コーヒー豆を粉に挽いた時に目盛りを超えてしまっていたので、お湯も多めでちょうど良かったのかもしれませんね。
結果オーライでした。
出来上がりの味わいは、甘みとコク、ボディ感がよく出ていて、「ずっしりした感じ」を受けるコーヒーです。
ペガサスドリッパーは粉がお湯と触れ合う時間が長めになるので、成分がよく抽出されて深みを感じる味わいになるのかなと私は考察してみました。
「コーヒーらしいコーヒー」で実験してみようと思ってこの中深煎りコロンビアで実験をしてみたのですが、ペガサスドリッパーとの相性は抜群だったみたいです。
HARIOのベストセラーV60ドリッパーとの比較
体験型カフェTHE RELAYのバリスタでもありコーヒーヲタクのライターの一人でもある深澤さんも、ペガサスドリッパーを試してHARIOさんのYouTubeに登場しています。
動画内ではペガサスドリッパーの特徴についてと、V60ドリッパーとの味の違いについてを解説していますので、併せてご覧いただけると嬉しいです。
動画では、「V60ドリッパーで淹れたコーヒーは味の輪郭があって酸質が感じやすい」「ペガサスドリッパーで淹れたコーヒーはよりまろやかに柔らかい印象で、後半の甘みがしっかり感じられる」という印象の違いが述べられていました。
たしかに私も、V60ドリッパーで淹れたコーヒーからは酸の輪郭がくっきりしてスッキリしたシャープな味わいが感じられました。
よほどの深煎りでなければ、V60ドリッパーでは酸味が出てくるイメージはありますね。
スペシャルティコーヒーならではの繊細さはV60ドリッパーの方が出しやすいのでは? という感想も一緒に飲み比べたメンバーから聞こえてきましたが、繊細な味わいを出すには繊細な抽出コントロールも必要になります。
味の再現性はV60ドリッパーでは難しく、ペガサスドリッパーの方が安定して似たような味わいを再現できるように感じました。
シャープな味わいを楽しみたい人や、ドリップ時のコントロールに自信がある人はV60ドリッパーがおすすめです。
一方で、酸味の際立ちにくいまろやかさや甘さ、深煎りならどっしりしたボディ感などが出てくる重めの味わいを楽しみたい人や、味の再現性が高いドリッパーを求めている方にはペガサスドリッパーの方がおすすめだと感じました。
私は中深煎りをペガサスドリッパーで淹れるのにハマりましたが、浅煎りでも酸味が出にくい、飲みやすいコーヒーになるというレビューもあったので、色々な豆でこれからもペガサスドリッパーを試してみたいです!
コーヒーを味わい尽くすならV60ドリッパー。でもペガサスドリッパーでも充分にうまいんや。
V60ドリッパーは、プロも愛用するドリッパーなだけあって、抽出のやり方ひとつで味わいの幅が大きく変化します。
蒸らしは何秒? 1投あたり何cc? 落ちきりは何分?
苦味、香り、甘み、酸味、コク、コーヒーのどんな味わいをどう引き出すのか、計算し尽くしてドリップできる自由度がV60ドリッパーにはあります。
もちろんホームバリスタではV60ドリッパーを使いこなせないと言いたいわけではありません。
私も実際V60ドリッパーも愛用していますしね。
安価でさまざまなドリップレシピの練習ができるV60ドリッパーは、多くのコーヒーラバーの相棒になっていると思います。
さまざまなレシピを試しながら、繊細なコントロールでコーヒーを味わい尽くすならV60ドリッパーに軍配が上がるでしょう。
けれどペガサスドリッパーが劣るとは言いません。
ペガサスドリッパーは「誰が淹れても美味しくなる」素質のあるドリッパーだと思います。
V60ドリッパーでは私はたまに抽出に失敗してしまうこともあります。
けれどペガサスドリッパーなら、どう淹れても着地の範囲に良い意味で限りがあるのです。
「奇跡の一杯」は出せなくても「毎日合格点の美味しさが飲める」というのは、ペガサスドリッパーの素晴らしい個性でしょう。……いや、豆と淹れ方の相性次第でぐんと美味しくなるペガサスドリッパーですから、奇跡の一杯だって可能かもしれません!
ペガサスドリッパーはどんな人にオススメ?
ペガサスドリッパーはどんな人に特にオススメでしょうか?
コーヒーヲタク的見解は以下の2パターンです。
・ホームバリスタデビュー(初心者)
・V60ドリッパーで淹れたいけど忙しい人
ちょっと詳しく見ていきますね。
ホームバリスタデビュー(初心者)
ホームバリスタにデビューしたての初心者さんには、「初心者向けドリッパー」の謳い文句通り、ペガサスドリッパーはとてもおすすめです。
箱に書かれている抽出方法をなんとなく真似して淹れるだけで、充分に美味しいコーヒーが飲めるのは画期的です。
豆量を測る専用のスプーンやスケールも必要ありません。ドリッパーの線に合わせて粉を測るだけでOKです。
粉全体に上手にお湯を注いで30秒蒸らすのはタイマーがあると便利ですが、自分でだいたいで数えても大丈夫そうでしょう。
コクやボディ感のある、コーヒーらしいコーヒーが、ペガサスドリッパーなら簡単に淹れることができます。
V60ドリッパーで淹れたいけど忙しい人
V60ドリッパーで淹れたいけど忙しい人にも実はペガサスドリッパーはオススメです。
その理由は、工程の少なさにあります。
V60ドリッパーでしっかり淹れようとすると、豆の重さを測り、ミルで挽いて(コーヒーを粉で買う人もいらっしゃいますが)、蒸らしや2投目以降の注湯もていねいにコントロールする必要があります。
要はめんどくさいのです。
(手間暇をかけた「めんどくさい」淹れ方のコーヒーってとっても美味しいからやめられないのですけどね)
特に朝の忙しい時間帯に、ていねいなハンドドリップは難しいというご家庭も少なくないでしょう。
そんな方にオススメなのが、ペガサスドリッパーです。
ペガサスドリッパーなら、V60ドリッパーほど何もかもを測って抽出しなくても、充分に美味しいコーヒーを淹れることができます。
V60ドリッパーで淹れるのは休日の楽しみに取っておいて、忙しい平日にはペガサスドリッパーを使う、なんていう使い分けも良いのではないでしょうか?
まとめ:ペガサスドリッパー(PEGASUS DRIPPER)は初心者から上級者までおすすめできる商品
ペガサスドリッパーはHARIOから「初心者向けドリッパー」として売り出されましたが、この魅力的なドリッパーを初心者だけで楽しむのはもったいないと思います。
たしかにコーヒー初心者が安心して安定した味わいを表現できるドリッパーではあります。
しかし、恐らく「コーヒー上級者」に分類されるであろう私も、すっかりペガサスドリッパーの虜になってしまいました。
表現できる味わいの幅はたしかに狭いかもしれませんが、ペガサスドリッパーじゃないと引き出せないコクやボディ感はあまりにも私好みでした。
今回使用した豆が中深煎りのコロンビアだったからというのもあり、ちょっと苦めに抽出された気がしたので、ここは好みの差もあるかもしれませんけれど。
浅めの焙煎の豆だと酸味が抑えられて甘味が増すので、ペガサスドリッパーは浅煎りの豆にもオススメです。
V60ドリッパーで表現できる味わいの幅がいくら広いといっても、ペガサスドリッパーの味わいをV60ドリッパーで再現することは恐らくできないと思います。
そういう意味で、V60ドリッパーも、ペガサスドリッパーも両方持っていて損は無いなと思いました。
(買うまで置く場所が……なんて思っていたのですけれどね)
ドリッパーってついつい増えちゃうものなのですよね。
ペガサスドリッパーもV60ドリッパーも、安価なので余計に手を出しやすくて困っちゃいますね。
こちらのHARIOのサイトからドリッパーを購入することができますので、ぜひおうちコーヒーの幅を広げるために、新しいドリッパーをお迎えしちゃいましょう!