工房 横井珈琲

工房 横井珈琲

SHOP 2019.02.08

住宅街の中にあるコーヒー豆専門店、工房 横井珈琲。
JR発寒駅・地下鉄東西線宮の沢駅、どちらから歩いてもおよそ10分の距離にあるお店です。

工房 横井珈琲は1996年の創業以来品質にこだわったコーヒー豆の提供を目指し、
スペシャルティーコーヒーが日本に上陸した直後からその魅力に着目し、いち早く提供をはじめました。

「スペシャルティーコーヒーとの出会いはまるで脳みそをハンマーで殴られたような衝撃的なものでした。
素晴らしいフレーバープロファイルを持っているコーヒーだと分かり、今まで取り扱っていたコーヒーとの違いが衝撃だったんです。」
そう語るのは工房 横井珈琲 代表取締役の横井 力さん。

どのような経緯でコーヒー豆の販売店を開いたのか、そしてどんな思いを持ってスペシャルティーコーヒーを提供しているのか。
じっくりとお話を伺っていきます。

INTERVIEW have a talk

コーヒー業界に入ったきっかけを教えてください。

元々はサラリーマンとして会社に務めていました。
務めていた会社の近くに、同級生が働いているコーヒー店があり、よく行っていました。
その友人が独立して喫茶店をはじめるというので手伝うことになったんです。
手伝いをおよそ4年間続ける中で、コーヒーの魅力に吸い込まれていき、自分もコーヒー店をやりたいなと思いました。
そして1995年12月31日に17年間務めた会社を退職し、翌年の1月1日からお店をはじめました。
喫茶店の手伝いでコーヒーの抽出や接客を学ぶことはできましたが、自分がはじめたのはコーヒー豆を売る仕事。
喫茶の仕事を食堂だとするとコーヒー豆を売る仕事は米を売る仕事。全く異なる仕事です。
どこかのお店に弟子入りして焙煎を学んだわけではなく、開業当初は苦労しました。

カフェを開いた理由を教えてください。

会社を辞めた翌日からこの場所で焙煎をはじめたのですが、ある時、全然お客様が来ないなと気が付きました。
好きなコーヒーに毎日向き合えるという喜びが強すぎて、自分が開業したことを周りに話すのを忘れていたんです。
大きい煙突が2本立っていて看板が無い怪しい雰囲気の場所になっている現状は駄目だと思い、1996年11月7日に正式にお店として営業をはじめました。
最初は週3日の営業でコーヒー豆の販売を行い、配達もしていました。
そしてお客様がだんだん増えてきて配達も行けなくなってきた1999年の10月、スペシャルティーコーヒーが日本に入ってきました。

スペシャルティーコーヒー上陸と同時期に、焙煎・抽出・品質の情報交換をする集まりがインターネット上にできていました。
そのメンバー全員が直感的に「スペシャルティーコーヒーは自分達が思い切ってやっていくための源泉だ」と確信しました。
それが珈琲の味方塾、Japan Roasters' Netwaokへと続いています。
あと、自分がスペシャルティーコーヒーに対して一番反応したのは、生産者が高品質のコーヒー豆を生産し、それに対して正当な対価を支払うことで生産者の自立を促す、いわば社会貢献からスタートしたプロジェクトだったからです。
自分もそこに少なからず参加できるならスペシャルティーコーヒーはさらにやりがいがあるなと思いました。

カフェのコンセプトを教えてください。

1杯のコーヒーにこもる熱い想いをお届けしたい。
形ではない1杯のコーヒーには、温かさ、安らぎ、癒やしをお届けできる大きな力があると信じています。
焙煎も抽出も突き詰めればとても大切。
けれども、何よりもコーヒーを育て、生産してくださる生産者があればこそ。
そして、そこに関わるバイヤー、インポーターはじめ多くの方々の想いを繋げた1杯がスペシャルティコーヒー。
コーヒーに携わる人達の熱い思いをお客様に届けたいというのがコンセプトです。

お店のPRをお願いします。

PRはやっぱり生産者の熱い想いを届けたいということです。
私は独立して以来、生産者のことを想ったり、生産現場に想いを馳せることはありませんでした。
ターニングポイントは2009年、ホンジュラスのカングアル村に行った時です。
日本から来た小さなコーヒー屋である私を温かく迎えてくださり、決して豊かとは言えないご家族から温かなおもてなしを受けました。
そのおもてなしをいただけるまでに、どれだけの方々が努力を重ね、想いを繋げてきたのだろうかと胸が一杯になり、彼らのために自分は何ができるかと考えました。
1杯のコーヒーの中には生産者やバイヤーを含めた色んな人達の思いが凝縮されています。
普段コーヒーを飲みながらそんなに深く考えることは無いと思いますが、1杯のコーヒーを飲んでこれはどこから来たコーヒーなんだろうと元を辿って頂けるようなきっかけになればいいなと思います。

あなたにとって珈琲とは?

自分にとってコーヒーはエネルギーです。
朝飲んで目を覚ますものであり、現場に向かう時のエネルギー源でもあります。
飲むことで得られるエネルギーだけでなく、生産者の人達と携わることによって得ているエネルギーも大きいです。

お店に鎮座する焙煎機は今はもう生産されていないというイタリア製のもの。
「トレンドも大事だけど、何よりカッピングした時に感じたコーヒーの品質に合わせた焙煎を行っています」という横井さんの長年の相棒です。

「最近、店のロゴを変えたのですが、これはコーヒーのフィルター、そして持続性を表しています。
コーヒーを提供する中で一番の主役は生産者であり続ける、というのがスペシャルティーコーヒーの考え方で、自分がスペシャルティーコーヒーをはじめたきっかけです。
その想いは今も狂いもなく、ブランドコンセプトとして大きく掲げているところです。」

インタビューを終え、コーヒー豆のカッピングを行いコーヒーの風味をチェックしていく横井さん。
真剣な表情でコーヒーに向き合いながらも時折笑顔を浮かべる姿から、コーヒー、そして生産者の人達との強い結びつきを感じました。

工房 横井珈琲では代表の横井さんだけでなく、そこで働くスタッフの方々の知識も豊富。
店員さんのわかりやすい説明を聞いて、自分好みのコーヒー豆を購入、そしてそのコーヒーを飲みながら、コーヒーの辿った道のりに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

RECOMMEND SHOP

おすすめ珈琲店

COFFEE & WINE STANDARD COFFEE LAB.

COFFEE & WINE STANDARD COFFEE LAB. / source: http://standardcoffeelab.com/

猿田彦珈琲

猿田彦珈琲 / source: https://sarutahiko.co/shop/

RECOMMEND MUSIC

珈琲を飲むときにおすすめの曲

INFORMATION

店舗名 工房 横井珈琲
住所 札幌市西区発寒9条11丁目2番11号
TEL/MAIL 011-667-1250 / info@yokoi-coffee.com
WEB WEB Facebook Twitter Instagram
営業時間 10:00〜19:00
定休日 火曜日 ※祝日の場合営業
焙煎機 OPM 熱風式 10kg窯
エリア 札幌市西区
豆の販売 あり

MAP

この記事を書いた人

SHO KONISHI

記事を通して、皆さんがコーヒーを楽しむお手伝いができればなと思っています。