【恋史郎コーヒー/宮崎県宮崎市】コーヒーはサーフィンの波と似ている。
SPECIAL 2022.07.22
宮崎市橘通東、四季通りにある恋史郎コーヒー。
大きなメインのアーケードの若草通りではないけれど、学生時代の思い出の場所としてこの四季通りを選んだそう。
店内は淡いブルーのクロスと木目調で揃えられた内装。明るく温かみがある空間となっています。
壁にはさまざまな作家さんのアート作品の展示が行われていたり、音楽のライブが行われたりと、地域に根ざすお店としてそこにあるのがわかります。
恋史郎コーヒーの”恋史郎”は息子さんの名前。
その中でも”恋”という字は生まれ育った海「恋ケ浦」から取ったそう。
そんな恋史郎コーヒーの店主である田中友太(タナカ ユウタ)さんにお話を伺いました!
コーヒー業界に入ったきっかけを教えてください。
僕はもともとコーヒーはあまり好きじゃなかったんです。
宮崎の一番南にある串間市の出身なんですが、実家の目の前がちょうどサーフスポットということもあり、小さい時からサーフィンに触れながら育ちました。両親はここで宿をしていました。
そこに移住してきた方がコーヒーショップをされていて、たまたま飲ませてもらったエチオピアの浅煎りを飲んで、美味しさにはまりました。
やっぱりエチオピアなんですね!
たまたまかもしれないですけどね!
浅煎りだったというのが大きかったと思いますね。
そこから業界に入るまではどんな流れだったんでしょうか?
ぶちゃけ業界に入ったのは店を出してからなんですよ。
なので最初は自家焙煎ではなく、熊本のアンドコーヒーロースターさんの豆から始まり、福岡のコーヒーカウンティーさんの豆も合わせ置くようになりました。
そこからコーヒーカウンティーの森さんが同じ宮崎出身ということもあり、わからないことは質問させてもらったり、実際に来ていただいて勉強させてもらいました。
ありがとうございます!グットコーヒーさんのオンラインフェスで頂いたコーヒー豆のラインナップに恋史郎さんのブルンジが入っていて、一番好きな味だったのでぜひ声かけたいと思っていたんです。
ありがとうございます!正直なんで僕なのかなって不思議だったんですよ。
浅煎りを受け入れる文化がまだまだないのでちょとずつって感じですね。
そうですね、北海道も深煎りが根強いので、世代が若い方だと浅煎りの方がいいという方が多かったりするんですけど、親世代の方だと深煎りが好きな傾向にありますね。
なので浅煎りのお店で始めても深煎りのラインナップを増やすことになるお店が多いみたいです。
そこから繋がるんですけど、カフェを開いた理由を教えていただけますか?
宮崎市内に出てきてリサーチをしていると、カフェを回った時に浅煎りを出しているコーヒー屋さんがどこもなくて・・・。なので宮崎の中心でそういうお店を出した方がいいんじゃないかなって思ったんです。
もう一つは、妻が宮崎の北側、僕が宮崎の南側ということもあり、ちょうど間を・・・
カルチャーとしてそこに根付かせるというのは難しいことだけど、きっかけをたくさんの人に与えるにはここがいいのかなと思って選びました。
恋史郎さんのインタビュー前に色々調べていたら、宮崎県はコーヒーの消費額ワースト2位というのを見つけたんですけど、実際今はどうなんでしょうか?
いやー変わらないですね!九州が弱いんです。
コーヒーカルチャーが成熟していると言われている福岡でも、そんなに上位に行かないんですよね。やっぱり地域性が大きいですよね。
次に店名の由来を教えてください!
店名は息子の名前なんです!
「恋ヶ浦」という地元のビーチがあってその目の前が実家なんです。サーフスポットで自分もずっとサーフィンをしてきたのでこの土地に思い入れがあって。子供ができた時に男の子でも女の子でも恋という字をとってつけたいと決めていたんですね。
同じ年に子供も生まれてお店もオープンするとなったのでちょうどいいなと思いつけました。
素敵です・・・!次にカフェのコンセプトを教えてください。
本質的なコーヒーの味わいを知ってもらいたいというのがメインのコンセプトです。お店からのストーリーを伝えるのではなくて、生産者から続くストーリーを体感してもらうっていうところを重要なポイントとしてお客さんに伝えています。
生産者に目を向けることって大事ですよね。
そうですね。他の飲食店の方と食事に行ったりすると、すごく美味しい料理を作られる店でも、最後に出すコーヒーだけがっかりしてしまうことが多くて。
メニューにはここの野菜は〜ここの肉は〜どこどこの何々と書いてあるのに、最後に何のストーリーもないコーヒーが出てくるのが問題だよなって。
私も両親の結婚記念日に一人1万くらいするコース料理のお店に行った時に、最後の締めで出てきたコーヒーが申し訳ないんですけど、本当に飲めたものじゃないような味で二口で限界だったことがあったんですよ・・・
なんかすごく残念じゃないですか?
すごく残念でした・・・
食だから関係性的にはすごく近いものなのに、ちょっと分野が変わると、途端に概念が存在しちゃって本質が紐付いてなくてもOKしちゃうみたいな・・・
やっぱり本質を知って、だからこういう味なんだってわかると自分も楽しいし、人にも教えたくなりますよね。
次にこの場所に決めた理由を教えてください。
若草通りというメインのアーケードがあってその横に走ってる四季通りという通りがあるんです。
四季通りにはアーケードがなく、小さな通りなんですけど、この通りが自分が中学高校大学と洋服が好きで、その中でもすごく影響を受けた先輩のお店があった通りなんですね。
それもあって四季通りでお店をやりたいと決めていたんですけど、なかなか物件がなくて。
ここの場所も水道が通っていないという理由で不動産の情報には載っていなくて、それでも良いから見せて欲しいとお願いして見させてもらったんです。そしたら、天井が高いこの感じもすごく気に入って即決しました。
ありがとうございます。次にお店のPRを教えてください。
妻が管理栄養士をしているので管理栄養学的なアプローチをしたいねってことで、GI値を考量したカレーを不定期で出しています。
スペシャルティーコーヒ店で健康的で美味しいご飯まで食べられるのは嬉しいですね!
ありがとうございます。繊維質がとにかく多いのが特徴です。
そのほかにビスコッティー、マフィンなどの焼き菓子があったり。
席数は12席あります。
ブラックコーヒーはエスプレッソ、アメリカーノ、ドリップ、エアロプレス、水出しの5種類でお出ししています。
ドリップとエアロプレスは基本的に6種類の豆から選べます。
たくさんメニューがあって飲みかたのバリエーションも多いので全部試したくなりますね!
最後に、田中さんにとってコーヒーとはどのようなものでしょうか?
自分にとっては糧という要素が強いですね。
例えばコーヒーカウンティの森さんとカッピングをすると、明らかなカッパーとしてのスキルの差を感じるんです。自分はそこまでの能力はないから、すごく悩みながら焙煎したり。
少しづつ時間をかけてステップを上がっている感じです。すごくもどかしい思いも多いし、どんな豆が来ても完璧に焼けるまでにはもう少し時間がかかる。難しいから探求し続けなくちゃいけないし、探求しようっていう熱量が今のところは消えない。
その熱量が生活をするエネルギーになってると思うんです。
サーフィンってすごく中毒性のあるスポーツで、自分の中でサーフィンとコーヒーって感覚的に近くて。
何が一番近いかっていうと、不安定要素が一番近い。
波は自然に起こりうるものであって、同じ形が2度と来ない。その条件下で反復練習するとなるとすごく難しいですよね。
波はうねりがない状態だと、海に入ったところでサーフィンはできないのでサーフィンは上手になるのが難しいスポーツなんですよ。
そこがコーヒーと似てるなって。
コーヒーは農園が災害で生産ができないとか、天気の影響で出来不出来があるとか、その辺含めて輸送状態とか、来てからの保管とか、農園から出荷されてからどれくらい経ってるのかとか、焼く時の天候とか、季節の関係とか、焼かれてからエイジングがどうだとか、不安定要素だらけで、手に取る人の解釈で見解がバラバラで。
そこがはまってしまう魅力でもありますね。
そこがすごく似てて・・・すっと迷いながらも追いかけて自分のベストを尽くすみたいな。その気持ち的な面がすごく近くて、日々救われているなって感じ。なので糧ていうのがしっくりくるなって思っています。
田中さんにお話を伺ってみて、本質を知ったうえでコーヒーを味わうと今まで以上に楽しみが広がるんだよ。
という想いが伝わってきました!
どのコーヒーもクリーンで、深煎りでもコーヒー豆のフレーバーや個性が残るくらいの焙煎度合いなため、
苦いコーヒーが苦手という方には一度飲んで頂きたいです。
THE RELAYのInstagramライブの様子はこちらからご覧いただけます!
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COFFEE COUNTY / source: https://hanako.tokyo/news/food/56790/
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INFORMATION
店舗名 | 恋史郎コーヒー |
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住所 | 〒880-0805 宮崎県宮崎市橘通東3丁目3−8 カブトビル 102 |
TEL/MAIL | 0985710684 |
WEB | |
営業時間 | 11:00〜19:00 (日曜・祝日は18:00まで) |
定休日 | 不定休 |
エリア | |
豆の販売 | あり |