THE RELAY 11月マンスリーロースター【darestore / 宮城県 仙台市】公園にいるような日常の中で、心地よい非日常を。

THE RELAY 11月マンスリーロースター【darestore / 宮城県 仙台市】公園にいるような日常の中で、心地よい非日常を。

SPECIAL 2022.05.22

地元の人、観光の人、様々な人々が行き交う仙台のメインアーケード街のほど近く。

今回ご紹介するロースター『 darestore(デアストア) 』
現在” Coffee&Roastery ”と ” Coffee&Eatery ”という機能の異なる2店舗でお客様をお迎えしています。

「公園のように、いろんな人が集まる場所を作りたい」

このコンセプトのように、働いているメンバーも個性が豊か。
それぞれの得意分野を活かした ”チーム” がとても魅力的なコーヒーショップです。

「訪れると元気になる場所」

Roastery の小さな店内にぎゅっと込められた想いと、新たな店舗 Eatery について
焙煎士の石山さんとヘッドバリスタの八代さんに伺いました。
(八代さんはインタビュー後半からのご参加いただきました。)

darestore は2017年にオープン、石山さんは開業当時からのメンバーと伺っていますが、オープンまでにどのような経緯があったのでしょうか?

代表の寺澤に誘ってもらったのがきっかけです。彼がワーキングホリデーでオーストラリアのメルボルンに滞在している時で、帰国したタイミングで一緒にやらないかと。もともと仙台で共通の行きつけのカフェがあり、親交があったんです。自分としても前職を10年くらいやっていて、そろそろ次のステップに進みたいと思っていたタイミングでした。

お店のコンセプトとしては何か決まったテーマはありますか?

「公園みたいな場所」というのが一つのコンセプトですね。
寺澤もそうですが、僕も旅行で海外のコーヒーショップを色々見てきた中で、ここが良かったねとかこういうことをやりたいね、というイメージを共有して。それらをぎゅっと詰め込んだお店になりました。詰め込みすぎたかもしれません・・・(笑)
イメージは活気があってラフで、お客さんとスタッフとの距離感が近い海外のカフェの雰囲気。日本のゆったり・まったりと落ち着く雰囲気とはまた違う、良い意味でざわざわとした感じがあるカフェを目指しました。

時の流れもあり、コロナ禍もあり、少しずつ変わってきている部分もありますが、オープン当初からメンバーが共通して思っているのは、いろんな人に使って欲しいということ。公園っていろんな人がいっぱい集まる場所だよねということで、公園がコンセプトになっています。

お店の名前「darestore」はどのように決めたんですか?

一緒にお店をやるとなってからいっぱい考えましたね。店舗が立ちあがる前は別の名前でイベントに出ていたりもしました。そうやって色々考えていく中で、知り合いに”restore(レストア)”という候補をいただいたんです。レストランの語源になっている言葉で、”回復させる・元気になって帰る場所”という意味。語源も意味も良かったので、使いたいねという話になったんですがレストアだけでは響きが物足りない感じがありました。なので、レストアの頭や後ろにいろんな文字をつけてみたんです。
そこで生まれたのが「 da + restore 」の「darestore」。響きが良かったので”dare”の意味を調べると、”挑戦する、思い切って〜する”というのが出てきて、すごくいい!となりました。僕たちもそうだし来てくれた人が元気になって帰ってくれる、そのポジティブな気持ちが挑戦を後押しする。そんなイメージです。

元の意味にさらに意味が加算されて、なんだか良いですね・・・
いろんな文字をつけてみるのは地道で大変そう!

名前は考え始めたら意外とぱっと出てきたんです。
さらにいうと、”da”というのが英語の”the”と音が一緒なので”The restore”みたいな使い方をしたり、いろんな意味を持たせられそうで面白いというのもありました。

ロゴはどうやって決めたんですか?

ロゴは知り合いのデザイナーさんにお願いしていくつかパターンを作っていただきました。
その中でかっこいいねとなって今のデザインになりました。

かっこよくて遊び心のあるロゴデザイン

かっこいいから!見た目や直感も大事ですね。
お店の場所はおふたりで探されたんですか?

そうですね。街中から少し離れていても、やっぱり路面の店舗が良いよねということで探していました。空いた日は寺澤と2人で1日中仙台エリアを歩き回って、テナント募集していないところでも気になるところがあったらピンポンしてみたり。でもなかなか条件にあう場所が見つかりませんでした・・・。

なので一旦、自分たちの希望や考えをフラットにしてみようとなって。全然関係のないところをとりあえず見てみようと話して、たまたま見たのが今の場所だったんです。

そうだったんですね!そこで一旦リセットしていなければ出会わなかった場所・・・なんとも運命的ですね。

本当にそうですね。3階だし路面じゃないしと思っていたんですが、実際見てみるといいねえとなって、そのまま決まりました。もともと30年近くご夫婦でやられていた喫茶店が入っていた場所で、仙台でも有名なお店でした。そこまでは知っていたんですが、僕たちが知らなかったこともあって。実は自家焙煎をされていたらしく、煙突など焙煎機を設置する環境が整っていたんです。お店の雰囲気が素敵だったのはもちろん、焙煎機設置にかかる費用が少し浮くという面でも良かったかなと思います。

3階というのは不安な要素でもありましたし、今でも入り口が分からないという声もあったりしますが・・・(笑)、人が集まるエリアでもあるし、仙台駅からも歩いて来られる距離にはあるので、結果的に良かったなと思っています。

お店の内装も海外のコーヒーショップをイメージした部分はあるんですか?

あります、数え切れないくらいたくさんあります。
最初に一番こだわった部分がテーブルですね。小さめのお店ですが、真ん中に大きいテーブルをどんと配置してみなさんに座ってもらうスタイルにしました。不快にならない距離感を意識してサイズにもこだわって、セミオーダーのような形で。たまたまご縁があった方々に作っていただきました。

知らない人同士が隣り合わせになって、なんだかこう・・・なにかしらが生まれたらいいね、というのが寺澤との共通の考えでした。大きいテーブルにみんなで座っている光景は、見ていてなんだか良い感じだなあと思います。実際にどのくらい何かが生まれたかというのは分からないですけど・・・(笑)
(コロナ禍ということもあり、現在は商品棚として活用中とのこと。)

大きいテーブルにみんなが集まるというのは、なんだか食卓みたいで良いですね!公園のような場所というコンセプトにもぴったりだなと思います。
焙煎はオープン当初から石山さんが担当しているとのことですが、コーヒーにはdarestoreとしてのコンセプトというのはありますか?

豆の個性が一番光るところを意識して焙煎しています。多くのロースターさんが気にしている部分でもあると思いますが、僕たちもそうですね。でも、単に個性が出ていれば良いというわけではなく、コーヒーっぽさも残す”飲み物として美味しいバランス”が大切かなと思っています。甘さ、酸味、苦み・・・苦さのあるものはうちのコーヒーでは少ないですが。どこか突出しているというよりも、バランスをとった中で現れる個性というのを意識しています。

浅煎りがメインになっているのは、豆の個性を引き出すことを意識した結果、ということなんですね。

そうですね、苦さを感じすぎると個性ではない気がしています。ただ、浅煎りに向いていないけど、深煎りにしたらめちゃめちゃ美味しいみたいな生豆があれば深煎りもやると思います。
あとは僕たちの世代も関係があるかと思います。スペシャルティコーヒー(浅煎りのコーヒー)というのが日本に広まり始めた頃(2010-2011年頃)で、今までの深煎りとは全然違う飲み物と出会った感覚。その体験から、コーヒーをやり始めたという人が多い世代だと思います。

使用されている焙煎機のPROASTER(プロアスター)は、日本だとなかなか見かける機会が少ないと思いますが、どのような出会いだったんですか?

あまり見ないですよね。代理店がもう日本になくて・・・
PROASTERにした理由は、一つはサイズ感、もう一つは信頼感です。
お店の規模的が小さめなので、小型の焙煎機でかつ価格も抑えたいという条件で焙煎機を探していました。価格的に良くても出来高が少なかったり、出来高が取れるものだと予算オーバーだったり。色々探していくうちに見つけたのがPROASTER。当時は大阪に代理店があったので実機を見ることもできたのが良かったです。

そして実際見た時に知ったのが、この焙煎機を作っている韓国の会社はもともとPROBATの修理をしている工場だということ。焙煎機修理の技術を活かして作られた機械なら信頼感がありますよね。海外だとPROASTERを使っているところがいくつかあって、ポートランドへ行った時にPROASTERで焙煎されたコーヒーを飲んだことがあったんです。そのコーヒーが美味しかったというのも決め手のひとつでした。

出荷遅れで焙煎機の設置がオープンに間に合わなかったというハプニングも。

darestoreのスタートとともに、本格的に焙煎をするようになられたんですよね。
石山さんご自身としてはお客さまにコーヒーをどのように楽しんで欲しいと思いますか?

いろんな人にもっと日常でコーヒーを楽しんで欲しいです。お客さんがお家でなくお店に来てコーヒーを飲むのは、日常にちょっとしたアクセントが欲しいからなんだと思います。同じコーヒーを飲むのでも、家で飲むのとお店で飲むのとは何だか違う気分になりますよね。日常の中にそういった非日常な感覚を取り入れたいという人がいっぱいいると思うので、その手助けができたらいいなと思っています。

長い期間、コーヒー業界に携わってきた中でこの仕事を続けるモチベーションになったものはありますか?

家の近くにあったコーヒー屋さんがきっかけでキャリアをスタートしましが、ターニングポイントは結構あったと思います。コーヒー業界に入りたての頃の方が辞めようかと考えていたかなって。
でも、寺澤を含めて同世代でコーヒーに興味を持った人たちと接触するようになって、今まで知らなかったコーヒーの情報が入ってくるようになってきた時に、もっとやることあるじゃん!と思いました。同世代に負けたくないという気持ちもありましたし。あとは前職で出会った人たちも大きいです。情報交換しながら切磋琢磨を続けていくうちに・・・今に至りますね。

あとは、2011年の東日本大震災が大きいです。
コーヒーの炊き出しに行った時に、コーヒー1杯で泣いてしまう方もいて。コーヒー1杯が感情を揺さぶる光景を目の当たりにして「コーヒーってすごいんだな」と実感しました。コーヒーとの向き合い方がまた少し変わる経験でした。そのほかにも震災がきっかけで会社やお店の形態やメンバーが変わったり、この年から専門学校で講師の仕事をいただいたり。2011年はいろんなことがぎゅっと起きた年でした。

ご自身が飲まれてきたなかで、印象深いコーヒーはありますか?

さっき話に出た、家の近くのコーヒー屋さんで初めて飲んだエチオピアのウォッシュド。コーヒーなのにコーヒーじゃない味がする!と思いました。あとは初めて飲んだエスメラルダ農園のゲイシャ種のコーヒーと、アナエロビック精製のコーヒーを飲んだ時の衝撃。この3つはとても大きかったですね。

コーヒーにも色々なカテゴリーがあって、目的に合わせて選ぶことが大切だと学びました。コモディティとスペシャルティ、深煎りと浅煎りだけではなく、そのコーヒーがいろんな人に飲んで欲しいものなのか、大会で勝ち進むために必要なものなのかとか。普段使いのものとはまた違う、高級ワインに近いようなカテゴリーがコーヒーにも出てきているんだと飲んだ当時は感じました。

どちらが良いというものではなくて、どちらも必要なものですよね。
石山さんが思う、コーヒーの魅力はなんですか?

僕の場合は、最初びっくりしたんです。コーヒーなのにコーヒーじゃない味がする!という感じで。そこから興味を持って色々調べたり携わる中で、今はコーヒーは農産物であるという意識が強いです。世界で飲まれるものを作っている人がいて、とてつもない工程を経て、さまざまな人々の手を介して今ここにコーヒーがある。それを考えただけでワクワクっとします。いろんな人の苦労が詰まっているんだなと。なので、今は同じ考えを持った人や、生産者の情報を細かく伝えてくれる人から買いたいなあと思っています。

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お店のインスタグラムを見ていると、盛り付けも素敵なフードが印象的だなあと思います。
フードの開発はどなたがされているんですか?

(石山さん)基本は全員ですね。オープン当初は代表寺澤の奥さんがキッチンに入って焼き菓子や食事を担当していたので、試作してもらったものをみんなで食べて改良したり。メルボルンのカフェで寺澤が触れてきたものがメニューに反映されていました。インパクトがある見た目で、食べても美味しいものだったり。
ただ、新しくオープンする Eateryではシェフが仲間に加わるので、今までお店で出してたものと融合させて、今までなかったような食事のスタイルを提供できると思います。

darestoreのコーヒー豆のパッケージ、それぞれ国ごとに違う動物が描かれていますが、これもオープン当初から寺澤さんの奥様が担当されているんですよね?とても細かくて素敵です。

(石山さん)そうなんです。本人曰く”ただ絵が好きで授業中の落書きの延長みたいなもの”と当初は言っていました。でも、ちょっとタッチも変わっているし上手くなっていっている気がします・・・(笑)

(八代さん)このエプロンも作ってくれたんですよ。前に代表や僕が着ていたエプロンの型を奥さんがとって、作ってみようかな!ってなって・・・なんかできちゃった!って。(笑)

(石山さん)僕の以前使っていたエプロンは知り合いに作ってもらったものだったんですがボロボロになっちゃって。こんな感じだったよね!と言って似せて作ってくれたんです。なので、八代のエプロンと僕のエプロン、ちょっとデザインが違うんですよ。

エプロンってそんな簡単に作れるものじゃない気がします・・・・

(八代さん)本当にマルチなんですよ、絵も上手ですし。そういう感じで、オーナーと焙煎士が別だったり、僕も後から加わってふたりとは違う役割だったり、今度はシェフが加わったり。うちはそれぞれが違う役割を持っていて、バランスが良いと思います。

新しいお店では八代さんはどんな役割になるんですか?

(八代さん)Eateryではマネージャ的な立ち位置で、ドリンクのクオリティチェックやスタッフのトレーニング、あとはキッチンのシェフと連携しながらお店全体を見ていく感じになります。あくまでもコーヒー屋さんであるというのはありますが、シェフが新しく加わる分、そのくくりの中でも今までできなかったことに挑戦できるようにもなるので、色々楽しみです。

darestoreのコーヒーを飲む北海道のみなさんに一言いただけますか?

(石山さん)うちのコーヒーを飲んでもらって、それをきっかけに仙台に遊びに来てもらえたら嬉しいです。仙台はコーヒー屋さんも、コーヒー以外の飲食店も、良いお店がたくさんあるので!
うちのコーヒーをきっかけにしてもらって、仙台にいっぱい来て欲しいなと思います。仙台に遊びに来てもらって、そのついでにお店に寄ってもらえたら嬉しいなと思います。

仙台を訪れた際にここは!というコーヒーショップを教えてください!

(八代さん)仙台だったらまずバルミュゼットですね。仙台でコーヒーをやっていたら1度は必ず訪れることになると思います。

(石山さん)僕と寺澤が会ったのもオーナーの川口さんのおかげですし、八代は川口さんがきっかけで海外に送り込まれた人間のひとりです。(笑)

(八代さん)そうです。(笑)次どうしようかと思っている時に石山さんから紹介してもらって。東京とかも考えてるし仙台にそういうところがあったらそれでいいし、別に海外でもいいんですよねえと相談したら、”メルボルンいいよ”って言われて。じゃあ行きますって。それがほんとにきっかけです。

バルミュゼットはもちろんコーヒーも美味しいですし、お話を聞くのも面白いです。でも、何より川口さんが僕らの情報を聞き出そうとするんですよね。まだまだ勉強してる。ずっと。僕たちも勉強になるし刺激も受けるし、彼がまだやってるなら僕らもやんなきゃまずいでしょという気持ちになります。

(石山さん)そういうふうに情報をくれて背中を押してくれたりする・・なんだかそういう人です。みんなのお父さんというか、親戚にいる味方みたいな存在です。

仙台は昔からある老舗のコーヒー屋さんも残っているし、うちみたいに浅煎りにフォーカスしてやっているところも色々あります。東北は深煎り文化がまだまだ強いので、浅煎りから深煎りまで、焙煎の幅が広いところも多い。仙台は選択肢がいっぱいあるという意味でも面白いんじゃないかと思います。

今周りにいるのは、コーヒーを通して出会った人が多いという石山さん。
地震をきっかけにコーヒーとの向き合い方が変化し、人との出会いが生まれ・・・コーヒーを通して過ごしてきた良い思い出たちがなければ今の自分もいないと思う、この思い出がなかったらなんか困っちゃうなあという言葉が強くしみじみと印象に残りました。

「いろんな人が集まる公園のような場所」というお店のコンセプトのように、スタッフの個性も豊か。コーヒーというひとつの飲み物を通じて訪れる人どうし、スタッフどうし、そしてお客さまとスタッフが良い繋がりを生んでいるのだと分かるインタビューでした。

◎ darestore Coffee & Roastery
◎ darestore Coffee & Eatery

みなさんもそんな憩いの場を、ぜひ訪れて見てください!

 

お店に足を運ぶのはなかなか難しいという方も、オンラインショップでコーヒー豆を購入できます。

石山さん、八代さんをゲストにお招きしたインスタライブの様子が
THE RELAY Instagram のアーカイブにございます。ぜひご覧ください!

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INFORMATION

店舗名 darestore
住所 ( Roastery )
宮城県仙台市青葉区一番町3丁目11−27 ビル3F かねはち
( Eatery )
宮城県仙台市青葉区国分町1丁目1−11 スズキビル 1F
WEB WEB Instagram(Coffee&Roastery) Instagram(Coffee&Eatery)
営業時間 Roastery、Eatery それぞれInstagramにてご確認ください。
定休日 Roastery、Eatery それぞれInstagramにてご確認ください。
焙煎機 Proaster 1.5kg
豆の販売 あり

MAP

この記事を書いた人

NANAMI HIGUCHI

文章を通してコーヒーにまつわるわくわくの共有ができれば、と思っています。
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