CAFE de NORD

CAFE de NORD

SHOP 2018.12.10

地下鉄大通駅とさっぽろ駅のちょうど真ん中辺り、駅前通沿いにあるオフィスビル。
地下歩行空間からも直結しているビルの地下1階に、CAFE de NORD(カフェ・ド・ノール)はあります。

カフェ・ド・ノールはカフェやレストランにコーヒー豆を卸販売する会社、『インフィニ珈琲』直営のカフェ。
そんなインフィニ珈琲のオーナーはコーヒーの生豆を数年間寝かせてから焙煎をする『オールドビーンズコーヒー』を札幌に持ち込んだ方なんです。

「生豆を寝かせると水分がどんどん抜け、火の通りがよくなり焙煎がしやすくなります。また、コーヒーの渋みの原因となるタンニンが減るんです。」
そう語るのは先述のインフィニ珈琲代表取締役にしてカフェ・ド・ノールのマスター、宮越 惣一さん。
現在も自ら南区の焙煎工場で焙煎を行い、その後店に立ってコーヒーを落とし、接客もされているという宮越さん。

一体どのような経緯で札幌でオールドコーヒーを提供することになったのか、また、どのような思いでカフェを長年開いているのか。
じっくりとお話を伺っていきます。

INTERVIEW have a talk

コーヒー業界に入ったきっかけを教えてください。

僕は元々ホテル屋です。実家が旅館をやっていて、それを手伝ったりしていました。ですが、父親が違うことをしたいということでホテルが廃業に。

僕は3人兄弟の長男なんですよ。真ん中の弟が福住でノエルという喫茶店をやっていて、一番下の弟が宮越屋珈琲をやっています。
その弟が東京で飲んだオールドビーンズのコーヒーを札幌で出したいと提案してきました。
業者に豆を寝かせてほしいと言ったところ、断られたので、自分でやるしかないなと思い、弟と一緒にオールドビーンズのコーヒーの焙煎をはじめました。

カフェを開いた理由を教えてください。

はじめはコーヒー豆の焙煎をする卸売会社、インフィニ珈琲を開業しました。
そのうち、自分が焼いた豆が抽出され、どうなるのかを見届けたいと思い、1997年にカフェ・ド・ノールを創業しました。

カフェのコンセプトを教えてください。

僕は元々ホテルマンを約20年していたので、接客というものが好きなんですよ。
コーヒー自体はただの黒い液体なので、これが紙コップに入っててもマグカップに入っててもコーヒーはコーヒーなんです。
だからここの空間でお金を払ってコーヒーを飲むということに言葉や心遣いを入れてやれないかなと考えるのが接客の醍醐味だと思います。
カップを出すのでも丁寧に出したり、提供するコーヒーの温度に気を配ったり、カップだけでなくスプーンも温めておく等の気遣いですね。

また、カウンターの向こう側は僕たちでなくお客さんの領域。
お客さんがコーヒーをどういう風に飲もうが感じようがお客さんの自由です。
だから僕は「コーヒーいかがですか」とお客さんに聞きません。
ただ最低限の味というのを我々は持っているので、美味しいものを出しているという自負は持っています。

お店のPRをお願いします。

一番最初に店に来た時にはまずブレンドを楽しんでみてください。
うちのメニューを見てもらえばわかると思うんですけれど、フレンチとマイルドと2種類用意しています。
大概ハウスブレンドって一種類なんですけど、お客さんの好みってわかりませんよね。
だからどういう味が好きですかと聞いて、それに合うのを提供するのが一番のサービスなんじゃないかなって思うんです。
深焼き嫌いなお客さんにフレンチ出したら苦いで終わっちゃいますから。

また、ここは古典喫茶、いわゆる古典落語みたいな世界です。
非日常生活的な空間でコーヒーを頂いて、カウンター越しに店の人や常連の人と仲良くなって新しいコミュニティーができあがるような。
シルバーの人達と若い人達がコーヒー飲みながら話して、こんな時代もあったんですかと意気投合してくれればいいなと。

あなたにとって珈琲とは?

コーヒーを飲むために人の集う喫茶店に行って、コーヒーを飲みながら面と向かって話す。
自分にとってコーヒーはこうあるべきだっていう概念は通り越しています。
コーヒーを媒体として、お客さんに他のお客さんやマスターと意見を交わす空間を提供していると思います。
こういう色んな人が肩肘張らないで来れる空間って喫茶店以外に無いと思います。

細長い印象の店内には重厚な造りの長いカウンターテーブルと数席のテーブル席。
大きなスピーカーから流れる音楽を聞きながらカップを傾け、コーヒーをゆっくりと楽しむことができます。
そんな落ち着く空間を作り上げているのもまたオーナーである宮越さんの気配りによるものが大きいと感じます。

「家があって会社があって、それとは別の、落ち着いて休む場所。それが喫茶店じゃないかなって思います。
よく店内で写真を撮る方もいますけど、周りのお客さんのプライベートな時間もあるし、なにより落ち着かないですよね。
もちろんダメってわけではないので、撮影する時は一言言ってもらえれば嬉しいです。
言ってもらえれば特別な扱いをしてあげますから。」

インタビューを終え、店内の常連さん達に気さくに挨拶を交わし、コーヒーを淹れていく宮越さん。
その表情は実に柔らかで、本当にコーヒーと接客が好きな方なんだなと感じました。

そんな素敵なマスターとお話をしながらコーヒーを楽しみたいという方は、
平日の昼以降か、お一人で店に立たれるという土曜日に行くのがおすすめです。

上質なコーヒーと丁寧な接客を提供し続けるカフェ・ド・ノール。
大人の空間で、落ち着いた雰囲気とコーヒーを楽しんでください。

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yue

yue / source: https://www.facebook.com/cafeyue

INFORMATION

店舗名 CAFE de NORD(カフェ・ド・ノール)
住所 北海道札幌市中央区北2条西4丁目4−1 北海道ビル B1F
TEL/MAIL 011-242-2221
WEB Facebook Instagram
営業時間 [月~金]
8:00~20:00
[土]
11:00~17:00
定休日 日曜・祝日
焙煎機 直火式 5キロ窯・10キロ窯
エリア 札幌市中央区
豆の販売 あり

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この記事を書いた人

SHO KONISHI

記事を通して、皆さんがコーヒーを楽しむお手伝いができればなと思っています。