【コーヒー高校生第2回】コーヒーをつくる国で、何を得た?

【コーヒー高校生第2回】コーヒーをつくる国で、何を得た?

SPECIAL 2019.11.19

東ティモールから帰国して約1ヶ月が経過しました。
札幌の季節は冬へと移り変わり、深いコーヒーがより美味しく感じられます。

前回の寄稿後、多くの方からの反響があり、近日開催予定のイベントに向けて身が引き締まる思いです。
第1回 → コーヒー高校生、札幌から始めます。

第2回となる今回は、東ティモールで僕がどのような活動をしていたかを書かせていただきます。

東ティモールってどんな国?

そもそも、東ティモールについてあまり知らない方もいると思うので、簡単に説明させていただきます。

東ティモールは、日本をまっすぐ赤道付近まで南下した場所に位置する小さな島国です。
日本とほぼ同経度のため、時差が全くありません。
国の人口は100万人強で、面積も含め岩手県と同規模だそうです。
様々な混乱期を経験して、21世紀最初の独立国家となった経緯を持つ、非常に若い国でもあります。
海の美しさが世界的に有名で、その手付かずの海洋環境に惹かれたダイバーが多く訪れることでも有名です。

海洋資源も豊富な東ティモールにおいて、海外に輸出する作物の大半を占めるのはコーヒーだそうです。
一説によると人口の3分の2がコーヒーに関わる仕事に従事していると言われるほど。
東ティモールの人達の生活とコーヒーは、密接な関わりを持っています。

コーヒー生産国での3ヶ月、何をした?

僕はこの夏、徳光珈琲の徳光社長から紹介していただき、NPO団体「Peace Winds Japan」に3ヶ月間インターンシップを行いました。
この団体は人道支援を行う団体で、東ティモールでは、政情不安の中、住民の独立を促進する目的で、主にコーヒー生産環境向上への工夫や、コーヒー豆の買い付け、販売等に取り組んでいるそうです。

インターンシップでは、生産農園の方々向けのワークショップに参加させていただいたり、現地で働く方々と一緒にコーヒー農園へ買い付けにまわったり、欠点のある豆を弾いたのちに実際に焙煎をして、農園ごとの豆を飲み比べたり、といった様々な体験をさせていただきました。

現地で見たり、実際に携わったりして気づいたこと

滞在中には、コーヒー豆をおいしくする工程にも取り組ませていただきました。
数ある工程の中で、僕が主に関わらせていただいたのは、コーヒー豆の含有水分量を調節して味わいの瑞々しさや華やかさを豊かにする作業です。

コーヒー豆は水分量が多すぎるとカビの侵食が進んでしまい、少なすぎると豆の持つ華やかな味わいが損なわれる要因となります。
そのため、理想的な水分量になるまでコーヒー豆に乾燥を施すのですが、その調整に取り組みました。

一見するとあまり目立たない工程ですが、消費者においしいと言ってもらえるコーヒーを届けるためには、必要不可欠な行程です。
コーヒー豆が出荷されるまでには、こうしたスモールステップが本当に沢山あることを知りましたし、様々な人達が関わり、一つ一つが積み重ねられておいしいコーヒーが作られていることを学びました。

東ティモールでの触れ合いを通して

インターンシップでお会いした方々との触れ合いも忘れることができません。

コーヒーを生業にしている方、青年海外協力隊のようなボランティアで来られた方など様々な背景を持つ方がおられ、それぞれに東ティモールに来る決断に至るまでのドラマがありました。
世界の広さと、愛のような気持ちが駆け巡って世界が成り立っているという素敵な事実の存在を実感することができました。

もちろん、現地の方との交流も非常に刺激的なものでした。
東ティモールの言語は、主にテトゥン語と呼ばれる言語ですが、第二言語として英語を話せる方たちがいらっしゃいました。
それで、英語で伝えた言葉をテトゥン語に翻訳していただくことで、様々な方とコミュニケーションをとることができました。
現地の方とお話をすると、自分が持っていた今ままでの常識を覆されたり、むき出しの気持ちのようなものと接する機会があり、簡単に言葉にすることができないほど、非常に多くの学びがありました。
加えて、改めて英語の偉大さを実感し、習得への意欲を掻き立てられる機会でも有りました。

とても大雑把にですが、今回は東ティモール滞在中に携わっていた事と実感した事を記させていただきました。
近日開催予定のイベントは、僕が撮影した写真と共により詳細なことをお話する機会となります。
一言では伝えきれない様々な体験を、いくらかでもお伝えできればと思っています。

この記事を書いた人

HAYATO YABUUCHI

札幌のコーヒーカルチャーに魅了されました。 この文化がもっと楽しく素敵になるよう、頑張っていきます。
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